詐欺被害者7割が内容を聞いていない

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特殊詐欺のうち、息子や孫を装うオレオレ詐欺の被害者の7割は、犯人からの電話でトラブルの話になる前からすでにだまされていた――。警察庁が全国の被害者らに聞いた調査でこんな結果が出た。理由は「声がそっくりだったから」が最多。同庁は「家族間のこまめな連絡が被害防止につながる」としている。

 調査は親族をかたるオレオレ詐欺を対象に、被害届や相談を受理した警察官が面談する形で、だまされた理由やタイミング、家族への相談や金融機関の声かけ状況を初めて分析した。昨年8~11月に全国の計1099人から回答を得た。

 内訳は、実際に金品をだまし取られた354人のほか、▽電話でだまされたが、金融機関の職員や配送業者、コンビニ店員ら事業者の声かけで被害に遭わなかった187人▽電話でだまされたが、家族や親族が見破り、被害に遭わなかった130人▽電話を受けたが、自ら見破った428人。

 いずれの対象者もオレオレ詐欺を知っていた人は、96~97%台を占めた。実際の被害者では、「どちらかといえば」を含めると、95・2%が「自分は被害に遭わないと思っていた」と答えた。

 しかし、だまされたタイミングを聞くと「通話中に息子(親族)のトラブルを聞く前」と答えた人が被害者では70・3%、家族に阻止された人は68・2%、事業者に阻止された人は66・3%に上った。電話を受けた最初の時点で、冷静な判断ができなくなっている様子がうかがえる。