元 WPP ・ソレル氏、退社とエージェンシーの未来を語る 「私は撃たれた」

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WPPの前最高経営責任者(CEO)マーチン・ソレル氏が6月22日(米国時間)、世界的な広告イベント「カンヌライオンズ(Cannes Lions)」のステージに立ち、ジャーナリストで作家のケン・アウレッタ氏に「インタビュー」を行った。テーマは、広告業界を扱ったアウレッタ氏の新著『フレネミーズ(Frenemies)』についてだ。

だが、今週このイベントに参加した多くの人が期待したとおり、アウレッタ氏はインタビューを逆手にとって、ソレル氏のWPP退社やそれに至るまでの状況について探りを入れた。これに対しソレル氏は、自分が断固たる敵対者であることを示し、WPPからの突然の退社をめぐる突っ込んだ質問の数々を上手くかわしていたが、アウレッタ氏は最後には、ソレル氏が「触れてはいけない話題」に触れざるをえないよう持ち込んだ

ソレル氏はこう述べた。「あの場合、クライアントや株主にとって、ああすることが最大の利益だった。状況が制御できなくなっていた。企業の最高レベルでそうしたリークがあると、維持していくのはとても難しい……私は撃たれたのだ」。

 

以下に紹介するものは、セッションならびにその後の記者会見での彼の話の要点だ。

◆ ◆ ◆
一緒に働く人々に対して暴言を吐いたというクレームについて:
「私は扱いやすい人間だろうか? 違う。私は厳しい要求をするだろうか? その通りだ。だが、それはフェアではなかったと思う。私の要求は、水準が高かったと思うが、全体の記録を見ると……ここ6~8週間に私が受け取った多数の電子メールの内容は、それと矛盾している」。

WPPの企業基金横領について:
「それは断固否定する」。

企業基金を買春の費用にしたという報道について:
「これも断固否定した。事実無根だ」。

新たな持ち株会社S4について:
「S4は(他の持ち株会社と比べれば)ピーナッツほどの大きさでしかない。世の中にはピーナッツアレルギーの人がいることは私も知っているが……S4はまったく新しいものに焦点を合わせている。完全なデジタルアングルの何かだ」。

エージェンシーが感じているコンサルティング企業からの脅威について:
アクセンチュアAccenture)は、6つの持ち株会社を全部合わせたものより1.5倍大きい。私は、(業界が)経験しようとしているモデルは、ますます重要なアイデアになると思っている。境界線はぼやけている……カンヌライオンズで投資が行われているところを見ると、最大の投資はコンサルティング企業がしている。ここはエージェンシーが挑戦を受けている部分だ。しかし、コンサルティング企業はエージェンシーと正面から争いはしない。彼らは上をいっている」。

エージェンシーとFacebookGoogleの関係について:
「金の動きを追うなら、メディアエージェンシーはGoogleFacebookへの投資を増やしている。彼らは、もはやフレネミー(友を装う敵、ライバルと同時に友である者)ではなく、パートナーになったのだ。第3勢力としてAmazonがあるが、Amazonはまだ発展途上だ」。

エージェンシーがクライアントから法外な料金をとっているという主張について:
「特定の事例を見たことは一切ない。それはすべて一般的な思い込みだ。米国内でそれを証明するものは何ひとつない」。

カンヌライオンズについて:
「我々は昨年、ここでの支出について我々が考えることをかなりオープンにした。6月のカンヌは、ここに集まったみなさんには失礼ながら、我々の業界の特定の課題や挑戦について見聞きするのに、最善の場所ではないかもしれない」。

 

digiday.jp

撃たれたという表現・・・すごい