渋谷再開発 どう変わるか、、

 

 

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再開発はまだ終わっていない

東急電鉄はこの数年ずっと渋谷の開発に力を入れています。その大きなきっかけは副都心線の渋谷乗り入れと東横線との相互直通運転が決まったことです。鉄道が地下化されることで、渋谷の再開発の計画が具体化していきました。

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日本経済に大打撃を与えたバブル経済の崩壊後、政府・金融機関・民間企業は、当初の想定以上に長い間不良債権処理に時間と金を浪費してきました。

そこで、不良債権化した不動産を証券化することによって、焦げ付いた不動産の流動性を高め、いち早く大都市圏を中心に都心機能の高度化により国際競争力を高め、日本経済を活性化する。

そんな目的を持って、2002年小泉政権時代に可決、成立したのが都市再生特別措置法です。

これによって認定を受けた都市再生開発案件は、国の重要開発案件と位置付けられ、手続きの短縮化や各種補助などの優遇制度の適用、都市計画規制の緩和措置など、地域経済に活力を与えるような、より大規模で前例のない都市開発が可能となりました。

東京都内でもいくつかのエリアが選定されましたが、渋谷もそのひとつとして特定都市再生緊急整備地域に認定されました。これが今の渋谷の大規模再開発を誘発する大きな契機となったのです。

渋谷はすり鉢型の谷地形状にいくつかの鉄道路線が乗り入れ、そこが自然発生的に繁華街となりましたので、都市インフラが錯綜していて災害などに対して大変脆弱な状況です。渋谷の都市再生においては、長年の課題だった都市インフラを抜本的に整備し直すことも大きな目的のひとつでした。

ここ数年、渋谷駅周辺は工事に次ぐ工事という状況が続いていますが、その全部を東急電鉄の事業としてやっているわけではありません。渋谷駅周辺には実に多様な施設管理者が相互に入り組んでいる状態です。

国道246号線があり、東京都道もあり、上部には首都高速道路がある。鉄道会社もJR、東京メトロとの調整もあるし、駅下部を流れる渋谷川の管理は東京都下水道局というように、ひとつの開発事業の協議調整だけでも大変膨大で複雑な内容を含んでいました。

 

IT企業が渋谷に集まる理由

こうした一連の開発によって渋谷は災害に強い街に生まれ変わりますが、もうひとつの目玉が交通結節性の向上です。

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これまで渋谷駅は営業主体が異なる鉄道路線間での乗り換えがしにくいという状況がありました。それが東横線が地下化されたことにより、跡地を利用した再開発ビルができるとともに、遠くに孤立していたJR埼京線の駅を山手線渋谷駅の隣に移動できるようになりました。

また、将来東急百貨店東横店を解体し再開発ビルを建てるのに合わせて、東京メトロ銀座線も渋谷ヒカリエがある表参道寄りにホームが移動します。

これらの一連の交通動線の改良により、各社の路線が近接し、比較的わかりやすくスムーズに鉄道間の乗り換えができるようになります。

またそれぞれの再開発ビルには「アーバン・コア」という、人の移動を縦方向にスムーズに行う竪穴が計画されています。ここにエレベーター、エスカレーターが設置されますので、これまでの谷地形に関係なく、地下からビルの上層階までといった行き来がしやすくなるのです。

私が社会人になって渋谷のサラリーマンになった頃は、渋谷に大規模オフィスなどはありませんでした。当時の渋谷はお酒を飲んだり遊んだりするところで、仕事をしにいくようなところではありませんでした。

しかし、今はIT企業が集積する街となっています。

1990年代後半から、渋谷にあまたある雑居ビルの一室などで起業したITベンチャーは、2000年以降のITバブル景気に乗って大きく成長したり、上場したりしました。このことをシリコンバレーに模して、コンピュータのビットにもかけて、渋谷はビットバレー(Bitter=渋い・Valley=谷)と言われた時代があります。

この街で育った若きIT企業の社長は、ラフでカジュアルな雰囲気のある渋谷が気に入りました。ここで遊んで、ここで仕事をしてという具合に、オンもオフも渋谷に育ててもらったという感覚を持っている経営者が多いのです。

企業として成長してからも「大手町みたいな街には行きたくない」「ダークスーツを着ている人ばかりの街は嫌だ」と考える経営者が多いようです。

歓楽街からオフィス街へ

こういう気概を持った方が渋谷を愛してくれるのは大変ありがたいことです。しかし残念ながら、それまでの渋谷には成長した企業を受け入れるための大きな器、つまり大規模オフィスがなかったのです。

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渋谷は大好き、だけど身の丈が大きくなりすぎたら入居できるオフィスがないということで、いくつかのIT企業が渋谷を離れていきました。

しかし、特定都市再生緊急整備地域に指定されて以降、渋谷には従来なかった大きなフロアプレートを持つビルが造られるようになりました。

そのトップバッターとして2012年に開業したのが「渋谷ヒカリエ」です。ヒカリエがあった土地は、東急文化会館があった場所でした。地下化された東横線代官山駅から地下にもぐり、明治通りの下を通って、新たな渋谷駅を造ることになりましたので、その新駅と直結する形で駅の真横に計画されたのが渋谷ヒカリエでした。

このヒカリエは商業施設だけでなく、大規模なオフィス、ミュージカル専用劇場、大規模ホール、クリエイティブフロアなどを備えた多機能なビルとなっています。

2018年9月に開業したばかりの「渋谷ストリーム」のオフィス棟にはグーグル日本法人が入居するなど、ディー・エヌ・エーGMOインターネットサイバーエージェントなど著名なIT企業が渋谷に集結し、明らかに大手町のオフィス街とは違う様相を呈してきました。

そして、これだけ有力なIT企業が集積すると、必然としてIT人材も集まります。その結果、関連産業の集積も期待できますし、他のIT企業にとってもこの街で優秀な人材を採用しやすい。そういった好循環が生まれています。

オフィス街というと、千代田区中央区・港区・新宿区・渋谷区という都心5区が広く認知されています。

法人数だけなら千代田区中央区・港区などの方が圧倒的に多いのですが、ことIT企業の新規起業数だけをみると、渋谷区が一番多いのです。

そもそものオフィスビル数が少ないという理由もあるのですが、現時点で都内オフィスマーケットの中でも渋谷区は一番空室がないというデータもあります。まだまだ渋谷には質の高い大きなオフィスがたくさん求められているのです。

 

引用元

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59807

どう変わってくるのか楽しみですね!!

まだまだ渋谷の街は変わっていきますね!!