年収600万円未満・50代以上でも余裕で家を買える!今すぐ「すべきこと」とは?

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60代までは持家率も上昇を続けている

 まずは図表1をご覧ください。これは、総務省統計局が5年に一度実施している「住宅・土地統計調査」から、年代別の持家率をグラフ化したものです。持家率は20代後半ではようやく10%を超えるほどですが、40代前半には50%台に、40代後半には60%台に達します。30代から40代にかけてのいわゆるマイホーム取得の適齢期に持家率は急上昇するのです。

 しかし、実はその後の50代、60代でも緩やかながら持家率が高まっています。もちろん、相続によってマイホームを取得する人もいるでしょうが、この年代になっても住宅を取得する人が決して少なくないのです。特に、ここ数年は住宅価格の上昇によって、取得時の年齢が高まる傾向が強まっています。

 

首都圏マンションは5年間で3割前後の上昇

 民間調査機関の東京カンテイによると、首都圏の新築マンション価格の平均は2008年のリーマンショック後、2012年に4241万円まで低下したあと上昇に転じ、2017年には5544万円に達しました。この5年間で30.7%、3割以上も価格が上がった計算です。

 中古マンションも同様で、東日本不動産流通機構によると、首都圏中古マンションの成約価格も2012年の2515万円を底に上昇し始めて、2017年度には3253万円まで上がっています。5年間で29.3%、やはり3割近い上昇です。近畿圏やその他のエリアではこれほどではないにしても、やはり上昇傾向が続いています。

中古マンション取得時平均年齢は47.2歳

 住宅価格が上がれば取得するためには一定の年収や資産が必要になり、必然的に取得できる年齢も高くならざるを得ません。

 住宅価格が上がっているといっても、実は新築戸建住宅、いわゆる建売住宅に関してはさほど上がってはいません。東日本不動産流通機構の調査では、2012年度の3412万円から2017年度には3506万円に上がっていますが、上昇率は2.8%で、先の新築マンションや中古マンションの30%前後の上昇に比べるべくもありません。そのため、取得時の平均年齢には大きな動きはありません。2013年度の39.3歳から2017年度は39.6歳で、ほとんど横ばいといってもいいレベルです。
 しかし、先に触れたように価格上昇の大きい分譲マンションでは、2013年度に41.6歳だったのが、2017年度には44.1歳に2.5歳も年齢が高くなっています。なかでも変化が大きいのが中古住宅です。中古戸建住宅は2013年度の42.9歳が2017年度には45.8歳に、中古マンションは45.1歳から47.2歳に上がっています。

中古マンション取得者の2割以上は60歳以上

 図表3は、住宅形態別の世帯主の年代構成比を表しています。全体的には30代、40代のマイホーム取得適齢期といわれる年代が6割から8割を占めているのですが、中古住宅では50代、60代の比率も低くありません。なかでも中古マンションに関しては、50代以上が4割近くを占めていて、60代以上だけでも2割を超えています。住宅取得適齢期を過ぎても、なんとかがんばって買っている人たちが多いわけです。

 もちろん、マイホームの取得といっても、初めて購入する一次取得と買い換えの二次取得では事情が大きく異なります。いうまでもなく二次取得の年齢が高くなり、それが全体平均を押し上げているといった事情はあるのですが、それでも50代、60代で初めて取得している人も少なくないはずです。

年収400万円未満で買っている人もいる

 この中古住宅を買った人たちの平均世帯年収をみると、中古戸建住宅が668万円で、中古マンションが632万円です。年齢は新築マンションなどに比べてかなり高いのですが、年収は決して高くありません。むしろ低いのです。それも分譲マンションは平均798万円、分譲戸建住宅が701万円ですから、かなりの差があります。

 年収の分布をみると、中古戸建住宅では400万円未満が13.7%で、400~600万円が28.9%、全体の42.6%は年収600万円未満です。この数字、中古マンションでは45.5%に高まります。年収はさほど高くないのに、なんとかがんばってマイホームを取得しているのです。

取得価格の半分前後の自己資金を用意

 ただ、年収はさほどではないので、多額のローンを組むと返済がたいへんなことになりますし、そもそも金融機関もそんなに融資してくれません。

 ですから、なんといっても自己資金を増やす必要があります。国土交通省の調査では、新築マンションの取得者は1796万円の自己資金を用意して、4192万円のマンションを買っています。自己資金割合は42.8%です。これだけ高くなれば、それなりの自己資金を用意しなければならないのですが、中古住宅はそれより安いといっても、年収が低い分、一定の自己資金が欠かせません。

 たとえば、中古戸建住宅取得者は1318万円の自己資金を用意して2857万円の住宅を取得しています。自己資金比率は46.1%です。さらに、中古マンションでは、この自己資金比率が51.3%と半分を超えています。自己資金が比較的潤沢と考えられる二次取得者を除いた一次取得者だけでみても、中古戸建住宅の自己資金比率は37.8%で、中古マンションは44.3%に達しています。

ローンの返済負担率20%以下で買っている

 自己資金比率が高く、借入比率がそれほど高くないため、年間の住宅ローン負担もさほどではありません。

 図表4にあるように、新築の分譲戸建住宅取得者の年間返済額の平均は119.2万円で、その年間返済額が年収の何%に相当するかを示す返済負担率は29.2%に達していますが、中古戸建住宅の場合には、年間110.0万円の返済額で、返済負担率は17.7%です。さらに、中古マンションでは返済負担率が15.6%まで下がります。

 一般に返済負担率は25%までに抑えるのが無難といわれていますから、中古戸建住宅や中古マンション取得者は、十分な安全圏ということができます。それに対して、分譲戸建住宅を買った人たちは、かなり無理して買っていることになります。将来、ローン破たんなどに陥らないように十分に注意する必要がありそうです。

諦める前に自己資金を増やす努力を

 もちろん、実際に中古住宅を買っている人たちのようなゆとりある返済計画を実現するためには、先にみたように一定の自己資金を用意、借入比率を落として自己資金比率を高める必要があります。それが50代、60代でも安心して中古住宅を取得するための必須条件といってもいいかもしれません。

 逆にいえば、それなりの自己資金のメドが立つ人であれば、50代、60代でも決して遅くないということです。

 まだ自己資金が十分ではないという場合、さほど年月は残されていませんから、短期間のうちに自己資金を増やさなければなりません。決して簡単ではないかもしれませんが、波に乗り損ねたと諦めるのではなく、もう一度波をたぐり寄せる努力をしてみてはどうでしょうか。

 

引用元

biz-journal.jp

マイホームも夢ではない???