平均年齢66歳のチア集団 異色のパフォーマンス

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 高齢化社会を迎え、年齢を重ねても生き生きとしたお年寄りは少なくない。そんな時代を象徴するのが、「大阪オトン・オカンチアリーダーズ」だ。平均年齢は66歳。公演で各地を回り、異色のパフォーマンスで多くの人たちを元気づけている。

 6月中旬、大阪市住之江区の公共施設。そこで開かれたイベントで、ノリノリの音楽が響いた。胸に「OtonOkan」の文字が躍るコスチュームなどを身にまとった20人が笑顔を振りまきながらピンク色のポンポンを振り回すと、大きな拍手で沸いた。年齢を感じさせない「キレ」のある動きに観客の視線はくぎ付けだ。

 「大阪オトン・オカンチアリーダーズ」は2010年、大阪市のチアリーディングクラブ「JUMPS」のシニア部門として活動を始めた。現在は40代後半から70代後半の27人が参加する。女性が大半だが、男性も4人。本格的なライブ会場で公演することもあれば、高齢者施設や病院を訪問することもある。

それにしても、なぜお年寄りがチアを?
 クラブの代表を務める石原由美子さん(42)は「子ども向けの指導から始めたが、いつかは高齢者のチームも、と思っていた」という。「チアは若い人がやるというイメージがあるが、老若男女、障害の有無に関係なくできる」が持論だ。元気なお年寄りが増えてきた昨今、彼らのパワーを周りにも還元したい、と考えた。

 クラブのスタッフの親世代のつてを頼ってメンバーを集め、当初は約10人でスタート。その後、参加者らが同年代の知人に声をかけるなどし、拡大していった。チア歴6年になる大阪市西淀川区の中岡栄子さんは77歳。「はじけることができて、気持ちも若返る」と、すっかりはまった様子だ。

 数少ない「オトン」の一人、同区の上村隆一さん(70)は自営業の仕事をリタイア後に英会話を習いに行ったところ、同じ教室にいたメンバーから誘われて始めた。「妻からは『ようやるな』と言われる」と苦笑するも、「自然と笑顔になれる」と楽しんでいる。

 年齢制限はない。河北一朗さん(51)は現役世代だ。本業は東大阪にある町工場の社長。仕事の合間を縫っての参加だが、「出張先の宿で振り付けの映像を見たりして覚えている」と話す。

 意外性も手伝い、最近はメディアや各種イベントに引っ張りだこの状態が続いているという。石原さんは「私自身、メンバーの皆さんの楽しそうな表情を見て、元気をもらう。つらいとき、『へこたれている場合ではない』と思う」と語る。まだまだ活躍は続きそうだ。

 

引用元

mainichi.jp

 

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