ヒップホップアーティスト、ジェイ・Zがベンチャーファンド「Marcy Venture」を設立。シリコンバレーを拠点

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ヒップホップアーティストで起業家のジェイ・Zが、シリコンバレーの投資家と共同で、ベンチャーファンド「Marcy Venture Partners」を設立しました。

共同パートナーには、ジェイ・Zが代表を務めるエンターテイメント企業ロック・ネイション社長のジェイ・ブラウン (Jay Brown)。

そしてもう一人のパートナーには、サンフランシスコに拠点を置き、NetflixやPandora、SoundHound、BandPage、LyricFindなどの初期の投資家でもあるWalden Venture Capitalマネージングディレクターのラリー・マーカス(Larry Marcus)。

ファンド名は、ジェイ・Zが幼少期に生活保護を受けながら暮らしたブルックリンの公共住宅プロジェクト「マーシー・ハウス」に由来します。アルバム『4.44』では、当時のハスラーの経験をモチーフにした「Marcy Me」を収録するほど、思い入れの名前となっています。


エンジェル投資家としてのジェイ・Z

ジェイ・Zとジェイ・ブラウンは、昨年からシードステージのスタートアップへ投資するVC設立のため、シリコンバレーのパートナーを探していました。マーカスは音楽や映像、ゲームなど、デジタルメディアのスタートアップへの初期投資で優れた実績を残してきました。

昨年3月、ジェイ・Zとロック・ネイションは、アーリーステージのスタートアップを支援するインキュベーター「ARRIVE」を設立して、スタートアップへの投資を開始しました。

ジェイ・Zとジェイ・ブラウンは、ARRIVE設立にあたって、投資会社であるPrimary Venture PartnersとGlassBridge Asset Managementと手を組み、ロック・ネイションのグループ会社として運営することを選びます。

ARRIVEはこれまでフランスの音響技術会社Devialetや、位置情報共有サービスのInSite Applications、株式情報アプリRobinhoodに投資してきました。

個人投資家としてのジェイ・Zはすでに実績を残してきました。

過去にUberやjetSmarter、Julep、Awayなどのスタートアップに投資するなど、ライフスタイル系サービスに積極的な支援を行っています。

ジェイ・Zの投資活動で最も有名なのは、定額制音楽ストリーミングサービス「Tidal」と「WiMP」を運営するスウェーデンの音楽サービス企業「Aspiro」を5600万ドルで買収し、Tidalのオーナーとなったことでしょう。

Tidalは高音質配信や、良心的なロイヤリティ分配率など、アーティスト視点の独自性を打ち出し、SpotifyApple Music、Deezer、Amazon Musicなど定額制音楽ストリーミング市場で競争していますが、大きな成功を未だ収められていません。

その一方で、ジェイ・Zが立ち上げたロック・ネイションは2008年の設立以来、レコードレーベル、音楽出版、アーティストマネジメント、スポートエージェント、ツアープロダクション、ブランディング、音楽マーケティングなどの子会社やサービスを立ち上げ、エンターテイメント業界やテレビ・映画業界、スポーツ業界まで広域な360度ビジネスを展開しています。

 

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