疑問 なぜ、Instagramには「#JK」が圧倒的に多いのか

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 Instagramにちょっとした異変が起きている。ジャストシステムの「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査」の2017年12月時点の利用率を見ると、Instagramの利用率は、15〜19歳女子が60.0%で最多。それに、20〜24歳女子(52.0%)、25〜29歳女子(48.0%)が続いている。

 少し前まではInstagramは20代女子が中心の場だったが、今は10代女子が増えているのだ。低年齢化するInstagramの利用実態や問題点についてお伝えしていきたい。

低年齢化が目立つInstagramユーザー
 10代ユーザーの特徴は、ハッシュタグに学校種や学年を利用することが多い点だ。

 ただし、日本語のハッシュタグは保護者が使うことが多い。たとえば「#小学生」は54万8000件投稿されているが、保護者によるものであり、小学校での日常や子どもの写真、お弁当写真などを投稿していることが多い。同様に、「#中学生」「#高校生」も大半は保護者による投稿だ。保護者たちは弁当を撮影して投稿する場、あるいは子どもの日常を報告する場などとして使っているようだ。

 略語のハッシュタグになると、状況は一変する。女子小学生を意味する「#js」は121万件投稿されているが、海外からのものやモデルオーディションのための投稿、ECショップの投稿などが多く、純粋な小学生の投稿はそれほどない。小学生ユーザーはさすがにあまりいないようだ。

 一方、女子中学生を意味する「#jc」になると、91万8000件投稿されており、自らの投稿が一気に増えてくる。自撮り写真が多く、画像が加工されているものも多い。「#jc1」が中1、「#jc2」が中2、「#jc3」または「#ljc」(l=last)が中3を意味している。なお、「#中1」「#中2」「#中3」は保護者による投稿が多くなる。

 

 投稿内容は、友だち同士で撮るプリクラ写真がとても多い。そのほか、体育祭の集合写真もあれば、本日のコーディネート写真、メイク動画まである。海外の写真も混ざっているが、中学生当人からの投稿が目立つ状態だ。

多い女子高生たちの自撮り
 一番多いのは女子高生による投稿だ。「#jk」はなんと707万件も投稿されている。海外からの投稿も混ざっているが、女子高生たちが数名で撮影した自撮り写真が圧倒的に多くなっている。プリクラ写真のほか、SNOWなどでスタンプ加工した写真も目立つ。

 「jc」の場合と同様、「#jk1」「#jk2」「#jk3」はそれぞれ高1、高2、高3を意味している。「#fjk」「#sjk」「#ljk」という呼び方もされており、それぞれ「f=first」「s=second」「l=last」からきている。

 なお、女子大生を意味する「#jd」は97万6000件投稿されているが、海外の投稿が多くなる。つまり、女子高生からの投稿が突出して多い状態と言えるのだ。

 LINE LIVEでも学校種別のカテゴリは多いが、こちらではJCが9万5000件でトップ。続いてJKが7万3000件となっていることは興味深い。なお、JSは4万4000件、JDは1万件となっている。男子高校生は3万6000件だ。

ブランド化する「JK」・制服
 では、なぜ「#jk」が圧倒的に多いのだろうか。調査から各年代でそれほどユーザー数の差はなく、女子高生ユーザーが多いからとは考えづらい。

 そこで注目したいのが、「#jkブランド」が25万8000件投稿されていることだ。他のJCやJDではこのようなハッシュタグはほぼ投稿されておらず、JKだけが突出して多い。この差は、JKつまり女子高生がブランド化しているからと考えられるのだ。

 おそろいの制服でディズニーランドで撮影する「制服ディズニー」も、主に高校生が制服姿で撮るものだ。卒業シーズンに高校時代が終わることを嘆く声はとても多く、JKブランドがなくなる寂しさを口にする子も少なくない状態だ。

 さらに見ていくと、「#jk」系ハッシュタグ投稿は、制服ディズニーと同様、制服姿やジャージ姿が非常に目立つ。「#jc」系がオシャレを精一杯がんばった私服写真が多いのと対象的だ。制服やジャージは高校生であることをビジュアル的にアピールできる大切な要素であり、アイコンであるのだ。

制服姿の安易な投稿に注意を
 「JKといったらインスタだよね」と言っている女子高生がいた。「友だちと制服でプリ撮ってインスタにアップするのが女子高生って感じ」。Instagramはキラキラしており、静止画・動画両方でアピールでき、多くのユーザーに注目してもらえる。現時点でJKという短い貴重な時をビジュアルでアピールしたり、残したりできる最適な場がInstagramというわけなのだろう。

 女子中学生が進学先の高校を選ぶ際に、「制服が可愛いところ」が一番のポイントと言っていた。そのような発言も、JKと制服はセットになっているからこそだろう。貴重なJK時代を最大限に演出するための可愛い制服を手に入れたいというわけだ。

 女子高生たちは制服姿を撮影して投稿したいと強く願っている。しかし、制服での自撮り写真は、高校名が特定できる上、個人を特定しやすくなる個人情報の塊だ。ストーカーなどのさまざまなリスクと隣り合わせということは教えておきたい。投稿は止められなくても、せめて本名などで登録せず、居場所を公開しないなどの配慮をするよう、子どもたちにアドバイスしてあげてほしい。

 

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若い子って好奇心強そうですもんね