自信がない「落ちこぼれ人材」こそ、組織で結果を残せる――新宿歌舞伎町・10億円キャバ嬢の教え

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こんにちは、内野彩華(うちのあやか)です。

 新宿・歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗経営する、年商10億円の歌舞伎町の女社長。そんな私が野心の大切さを説く、この連載。第14回は「“自信がない”は仕事をがんばる原動力」というお話です。

 

◆何をやっても自信を持てなかった「少女時代」

 自信とは、自分を信じる心のことです。

 かつての私は自分に自信を持てず、自信がある人がうらやましくて仕方ありませんでした。でも今の私は、自信が持てないのは決して悪いことではないと断言できます。

 今回は、自信が持てなかった頃の私を振り返り、人を拒絶し続けてきた毎日から少しずつ人を受け入れられるようになっていった過程をお話しします。

 私は物心ついた頃から、何をやってもダメだと思っていました。足は遅い、歌は音痴、勉強に関する理解力もない、会話をすればトンチンカン、空気が読めない、時間が守れない、忘れ物が多い、身だしなみが整えられない……。いいところがひとつもないと思っていました。

 それが、高校生のときに近所のスナックで働いたとき(時効だから許してください)に、生まれてはじめて褒められました。

 

◆社長と「秘密のデート」で芽生えた優越感

「ぼさっとしてるところが癒される」

「会話がトンチンカンなところがかわいい」

 そのスナックで、生まれてはじめて「チヤホヤされる」という経験を味わいました。なかでも、すぐに私を褒めてくれたスナックの社長であるAさんのことを大好きになりました。Aさんは私をよく「他の社員には内緒だよ」と言って、高価なレストランにこっそり連れていってくれました。

 このことを私は当初、他の社員には黙っていようと決めていました。しかし、人に認められたのが嬉しかったあまり、どうしても言いたくてたまらなくなっていました。そして、ある日、一緒に働いている女の子に「Aさんが私を高価なレストランに連れて行ってくれるんだよね。でも他の人には絶対言っちゃダメなんだって。だから内緒ね」と、つい漏らしてしまったのです。

 その噂はまたたくまに広がり、ママさんをはじめ、ウェイターやすべての女の子が「内野はAさんに特別扱いされている」という目で私を見るようになりました。お客様から「この子は可愛い」と言われても、すかさずママに「この子はAさんのお気にいりよ。だから、手を出したら出禁ですからね」と、嫌味を言われる始末。ウェイターにドリンクを注文しても無視されたり、意地悪をされたりして、私のなかで店の居心地はどんどん悪くなっていきました。

 私も私で、「内緒だよ」と言ったのに告げ口した女の子のことを信じられなくなり、自分のことは棚にあげて「他人は信用できない」と、心を閉ざすようになりました。そうなると、あんなにチヤホヤされていたお客様からもだんだん相手にされなくなり、店での居場所はどんどんなくなっていきました。

 

◆ついにAさんにも裏切られ…「もう誰も信じない」

 そして、数か月が経ったときのこと。Aさんに「内野さんは俺が特別にレストランに連れて行ったことをみんなに話すから、もう信用できない。このままだと店の空気が悪くなるから辞めてほしい」と言われてしまいました。

 このショックは大きかったです。信じていた人に裏切られたショック。大好きだった人に見放されたショック。「もう誰も信じない」と思いました。それからはさらに心を固く閉ざすようになり、「どんな人でも絶対に信用するのはやめよう」と心に誓いました。

 それからは、どんどん悪循環に陥っていきました。学校でもアルバイト先でも居場所が見つけられず、友達にも、同僚にも、お客様にも嫌われるようになりました。今考えると、自分のことを「ダメな人間」だと思っていたから、似たような人を見つけると、悪口を言いたくなる。自分より優れた人を見ると、嫉妬からまた悪口を言いたくなる。自分のことが嫌いだから、人も大嫌い。
 自分のことを全然信頼できないから、人も信頼できない。彼氏ができても、自己嫌悪から暴飲暴食や自傷行為に走る私を見兼ねて責任を感じ去ってしまう。

 と、ますます出口が見えない闇に私は入っていきました。

 

◆上京先のキャバクラの「辞めさせない経営」に衝撃

 広島の高校を卒業して上京した私は、こりずに再びキャバクラで働きはじめました。その会社は広島と銀座に店舗があり、社長のBさんは広島と銀座を行ったり来たりしていました。

 Bさんの口癖は、今もはっきりと覚えています。

「店長がいるから、銀座の店をやっていける。ありがたいなぁー」

 キャバクラという水商売ですから、スタッフ間のトラブルはつきもの。店長の風紀(=黒服とキャバ嬢が付き合うこと。キャバクラではキャバ嬢は商品なので商品を食い散らかしたという見解になりご法度)が発覚したときのことです。

 なんとBさんは「女にモテたくて黒服やってるんだ。『店長』って肩書きがあればそりゃヤリたいよな。モテるのは店長になった特権!」と、まったく店長をとがめなかったのです。

 さらに驚いたのは、経理の女性の横領が発覚したときのこと。

「お金が目の前にあったら取りたくなっちゃうよなぁ。目の前にお金を置いといた俺が悪い」と、まったく彼女をとがめないのです。

 

◆「内野さん、使えない人というのはいないんだよ」

 Bさんの発想には「辞めてもらう」という発想がありませんでした。勘ぐり深い私は、はじめ「演技でやっている」とタカをくくっていましたが、数年経ってもスタンスが変わらないので、ある日、Bさんに聞いてみることにしました。

「あんな使えない人ばっかり雇って、会社がうまく行ってるのが不思議。Bさんはスゴいね」

 私は嫌味のつもりで言いましたが、Bさんはニヤリとして言いました。

「内野さん、使えない人というのはいないんだよ。能力がないという意味では、俺も内野さんも同じだよ。どんな人にも使い方(生きる道)があるし、あの2人がいることで、会社がうまく回っている部分もあるんだよ」

 このとき、私はBさんの言っている意味がわかりませんでした。でも、その言葉は私のなかでずっと引っかかっていました。そして、あるときから私は「ダメな人間なんていないんだ。だから自分にも活躍できる居場所があるんだ」と思えるようになったのです。

 やがて、私は少しずつ人を受け入れる努力をするようになりました。他人から嫌なことをされても「散々、心の中で葛藤している私の気持ちと一緒」と思うようになり、仕事ができない人と一緒に仕事をしてイライラしても「私もできないことはたくさんある」と自分を戒めるようになりました。

 

◆自信がないから「仕事の原動力」が生まれる

 本当に少しずつですが、迷惑をかけてくる相手のことを好きになる努力をするようになりました。そうすると働いている環境もよくなっていきました。店のスタッフやお客様から好かれたり、信頼されたり、大切にされたりする機会も増えていきました。

 人を拒絶したら、反対に拒絶され返して居場所がなくなります。人を受け入れたら、人に受け入れられるようになります。

 その後、私が会社をつくってわかったことは、かつての私のように、自信がない人のほうが仕事を頑張るということです。自信がないからこそ「実績を出して誰かに認められたい」という気持ちが、仕事の原動力となるのです。

 自信がない人は、まずは他人を広い心で受け入れてみてください。あなたが周りのスタッフや取り引き先を受け入れれば、やがて、彼らはあなたを受け入れてくれてくれるようになります。それが大きな仕事につながっていくのです。

 あなたは今の仕事に自信を持っていますか? もし自信が持てなくても心配することはありません。

<TEXT/内野彩華>

 

【内野彩華】
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ

 

引用元

news.livedoor.com

 

まあ、本人のやる気次第ですよね